当園では、人工交配による
『ミスなでしこⓇ』誕生以降、
【果実着色】/【自家交配性】/
【果肉着色】/【収穫時期】 /
【果肉成分】etc. を意識して
多種多様な梅を【人工交配】させて、
更なる【優良新品種】の誕生を目指して、
日々研究に取り組み続けています。
そんな折り、
『ミスなでしこⓇ』 :【めしべ】
『鹿児島紅梅【花梅】』:【花粉】
により、新たな梅が誕生しました。
梅の【人工交配】を実施すると、
【めしべ】側の品種特性をベースに、
【花粉】側の品種特性を引き継いだ
【新品種】が誕生する事があります。
今回誕生した【新品種】の特性としては、
壱.花梅の花特性を引き継ぎ
・花びらが多数ある【多弁花】
・薄ピンク色の花びら
※ 一般的に当地方で収穫してる梅は、
花びらが5枚【単弁】の白色の花
弐.【雌しべ】が複数存在してる為
・花粉交配に応じて、
【双子果】/【三つ子果】着果する
・果実は、『ミスなでしこⓇ』同様、
梅紫色の果皮
・一般的な花梅の着果果実は、
着果後に全て生理落果するが
当品種の果実は収穫可能
今までの常識を覆す
新たな特性を持った梅が、誕生しました。
薄ピンク【乙女色】の多弁花
双子や三つ子着果の紫色の果実
『ミスなでしこⓇ』の特徴を継承しつつ、
花梅の特徴を兼ね備えた【新たな梅】は、
【青果出荷販売】の観点だけでなく、
・【開花時期の観梅】
・【着果特性を確認しながら収穫体験】
・【一般家庭へ苗木販売】etc.
様々な可能性を秘めてると考えています。
梅の特異性を確認できた事により、
和歌山県の農政課のご協力を得ながら、
平成27年【2015年】より、
品種登録申請手続きをスタートしてます。
品種登録申請に向け、
品種名を
『ミスなでしこⓇGT』と命名しました。
当初よりある
『ミスなでしこⓇ』の意味合いに加えて、
【GT】の部分には、
2つの意味合いを込めています。
壱.優れた/卓越した
『ミスなでしこⓇ』系統から、
⇒ GreaT ⇒【GT】
弐.複数着果した果実の様子を、
【ガールズトーク】と表現
⇒ Garls Talk ⇒【GT】
『品種登録』には、
数年の申請手続きが必要であるので、
登録承認される日を、心待ちしています。
上の記事写真をクリックすると、
説明ページにジャンプします
2015年【春】
品種登録出願に向け、準備がスタートしました。
・西牟婁振興局地域振興部農業振興課
・和歌山県果樹試験場うめ研究所
の行政機関のサポートにより、
『ミスなでしこⓇGT』の品種特性を実証・データ化する為、
1年がかりで、果実特性の証明資料が完成しました。
今回の【品種登録出願】にあわせ、
『ミスなでしこⓇGT』の育成権を、
先代より継承して、息子である自分が譲渡を受け、
【品種登録出願】する運びとなってます。
【品種登録】の出願資料は、スキル向上のため、
自分本人で作成するように努めました。
品種特性の証明データを折り込んで、資料作成を完成させ
関係機関を交えての最終確認を実施して、
3月18日に【品種登録出願】に至っています。
※上の【品種登録願】の写真をクリックすると、ブログ記事にジャンプします。
2015年【冬】
9ヶ月の月日を要して、品種登録出願が公表されました。
当初登録出願時申請した『ミスなでしこⓇGT』の名は、
『紫宝梅』⇒『和夢なでしこ』と2回の名称変更の末
出願公表に至っています。
出願公表に伴い、
農林水産省のデータベース上に、
『和夢なでしこ』が登録されています。
今後、現地調査等の確認作業が行われて、
【品種登録】する運びとなります。
※上のアイコンをタッチすると、
登録出願公表に関するブログにジャンプします
2016年3月に【品種登録出願】をしても、
品種登録承認には、時間を要します。
品種登録承認までに様々な準備を進めてます。
・【原木】の明確化&植栽展示
・『ミスなでしこⓇGT』植栽園地の用意
・今後を見据えた苗木の育成
品種登録承認により、
当園で生まれた紫宝梅『ミスなでしこⓇ』は、
大きな称号を獲得すると考えています。
今後、青果物流通を進める上でも、【大きなプラス】に
なるとも感じています。
品種登録承認まで、2~3年。
・その期間で進められる準備
・登録承認後の、活用・展開方法etc.
ただ、【品種登録】が承認されてるだけ…
という結果にならない為、やるべき事は山積みです。